もう、モーサム・トーンベンダーをカテゴライズする言葉はない。
2月21日にリリースされるNEWアルバム『SUPER
NICE』は、今を生きるすべての音楽アーティストに課せられた命題「21世紀に名盤は生まれるか?」に、正面から食って掛かっている。
「あまりに音楽が消費されていくのが速すぎるので、21世紀に名盤は生まれるのか、という話をメンバーでしました。細かいジャンルだとか、今の流行だとかを追うのがバカバカしくなって、四方八方好き勝手やった。無理して音楽性を寄せるのではなく、1曲1曲が名曲。今回のアルバムに限っては完全“ノーコンセプト”です」

先行シングル『You are Rock’n
Roll』と『TIGER』は、“モーサムらしさ”を前面に押し出した。アルバムの中には、ポップであったり、メロディアスであったりする曲も含まれる中、型破りなロックをあえてシングルにした。
「シングルというと、幅広いリスナーに聴いてもらうために、歌メロがわかりやすかったり、耳なじみがよかったりする曲になりがちですけど、俺たちはあえて真逆。他とは違うところを示したかったんです。尖がったリスナーの耳に届いた時に“このバンド、おもしろそうだな”って引っ掛かるように」
洋楽リスナーの耳をもうならせるロック。日本語の歌詞がのっていながら、やぼったさがない。それでいて熱がこもっている。ヴォーカル&ギターであり、作詞・作曲も手がける百々和宏の音楽は、新たなツールにより変化を遂げた。
「まず曲をつくって、すべての楽器のレコーディングが終わった後に歌を入れます。それまではデタラメ英語で歌っているんですけど。詞は歌入れの直前に完成させます。いつも詞を書く時に使っているのが、13インチの“Mac
Book”。ソフトはMicrosoft Office
for Mac の中の Word です。ツアーやライブで家を空ける日が多いので、持ち歩いて詞の元になる言葉やショートストーリーなんかを書きためています」
かつては「パソコンなんか使ったら頭が腐る!」と思っていた時期もあった。それが、詞に対するスタンスの変化に伴い、便利なツールとして再確認。パソコンを使いはじめてから、詞を書くスタイルが180度変わったそう。
「4年くらい前までは紙のノートに殴り書きしてました。手書きの文字はその時の感情や精神状態がすごく入る。夜、ラブレターを書いて、翌日読み返したらすごく恥ずかしいってことあるじゃないですか。詞も同じで、言葉の意味にがんじがらめになっていた。昔は瞬発力で音楽をやっていたから、手書きのドロッとした質感の詞が合っていたからよかったんだけど。パソコンを使えば、言葉は無機質になるから遊ぶ余裕と冷静さが保てる。手書きだったら、ここまでモーサムの音楽性の幅は広がっていなかったかも…」
冷静さと遊びを包括し、さらなる高みへと向かっていることを証明する1枚が『SUPER
NICE』。既存のリスナーには“驚き”をもって、新たなリスナーには“はじめの1枚”として迎え入れられるだろう。
そして『革命的なヴィジョンを世界に提示するツアー』が、3月11日の四日市CLUB
CHAOSを皮切りにスタートする。昨年、フジロックのグリーンステージを沸かせ、ライブバンドとしてのチカラを強く、広く知らしめた。否応なしに期待は高まる!
「新しいヴィジョンが浮かぶようなライブになるはず――」
結成から10年。スリーピースバンドはいろんなものを飲み込み、地を震わすロックでいろんな壁をぶち破る。