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Cover Story 夏帆
「みんながひとつになると素晴らしいものが生まれるんです」
―― 夏帆


みんなで歌うって、楽しい! 気持ちいい!!
合唱をテーマに、瑞々しい感動を与えてくれる青春映画『うた魂(たま)♪』。
合唱部に所属する女子高校生・荻野かすみが、合唱を通じて成長していく姿を描いた物語だ。主人公のかすみを清涼感たっぷりに、ちょっとコミカルに演じた夏帆さんに、『うた魂♪』について語ってもらった。


歌の力ってすごいなって 再認識しました。

安良城 紅

「みんなで舞台に立って歌ったときは、すごく感動しました」

 主人公である七浜高等学校女子合唱部のソプラノ・リーダー、荻野かすみを演じた夏帆さん。劇中の合唱シーンを「歌の力ってすごいなって再認識しました。七浜合唱部のなかには、泣いちゃう子もいましたね」と、笑顔で振り返った。

 『うた魂♪』の見所のひとつは、夏帆さんの顔いっぱいにはじける笑顔や清涼感。加えて、初めて魅せるコメディ・タッチな演技。そして、存分に登場する夏帆さんの歌唱シーンだ。 「私はあまり歌が得意ではないんです。だから、撮影に入る前はとにかく不安で、本当に大丈夫なのかなってぎりぎりまで思っていたんです。でも、撮影が始まってからは吹っ切れました。不安がまったくなくなったわけではないのですが、楽しく撮影できました」

 実際、スクリーンでの夏帆さんはソロ・パートをはじめ、合唱部の仲間たちと一緒に、堂に入った歌を披露している。身振り手振りを交えてのはつらつとした歌唱シーンからは、かすみの感情が伝わってきて、こちらも、楽しくなったり、感動したり。なかなかのミュージカル女優ぶりだ。

「すごく練習をしました。私はソロで歌うシーンがあったので、七浜合唱部の他のメンバーより少し早く歌のレッスンを始めたんです。みんなと一緒のレッスンになってからも、劇中に出てくるような発声法からスタートして、『青い鳥』とか、劇中に出てくる曲をみんなでひたすら練習しました」

 本作では、ゴリさん率いる湯の川学院高等学校のヤンキー合唱部も重要なコーラス・パート。現在35歳のゴリさんだが、なんと、高校生役で出演。意中の生徒会長に歌っているときの顔を「産卵中のシャケみたい」と笑われて落ち込むかすみに活を入れる熱血漢・権藤洋を、見事に演じている。夏帆さんは、リハーサルで湯の川学院高等学校合唱部のド迫力な合唱を目の当たりにしたときのことを、「衝撃的でした(笑)。七浜高校合唱部とは対照的。でも、負けられないぞと思いました」と笑った。

 すがすがしくも力強い七浜高等学校の合唱と、おかしくも真剣な湯の川学院高等学校の合唱。ともに、熱い思いが胸に迫ってきて、これぞソウルフル。両校合唱部の特訓の成果はぜひ、スクリーンでご確認を。

合唱部役のみんなとも仲良くわいわい。 合唱部を疑似体験しているようでした。

安良城 紅

 『うた魂♪』に登場する七浜高等学校女子合唱部は、まるで本当に存在するかのよう。撮影現場での、合唱部役のみんなのチームワークが自然とスクリーンから窺える。わいわいと一致団結しながら楽しんでいる姿が目に浮かんでくるのだ。

「みんな仲が良くて、本当に楽しかったです。女子高みたいな感じで、撮影の合間もみんなでワーワーと騒いで(笑)。移動のバスも一緒でしたし。本当に合唱部を疑似体験しているようでした」

 夏帆さんに、この映画のような実体験は?と聞いてみると、「体育祭とか、そうでしたね」と中学生時代の思い出を懐かしそうにあげてくれた。

 ちなみに、七浜高等学校女子合唱部が歌うのは、ゴスペラーズの書き下ろし曲『青い鳥』、MONGOL800のヒット曲『あなたに』、名曲『待ちぼうけ』など。一方、湯の川学院高等学校合唱部が歌うのは尾崎豊の『15の夜』、『僕が僕であるために』。劇中では、クラシックからポップスまで、名曲が合唱歌に姿を変えており、聴きどころも満載だ。

 夏帆さんは、『うた魂♪』を通じて知った合唱の魅力を、こう教えてくれた。

「一人じゃなくて、みんなで歌うからこその感動があるっていうところですね。それが合唱のいいところじゃないでしょうか。たとえば、かすみだけが上手くても合唱は成り立ちませんから。みんなでひとつになったと感じられたときには、経験した人にしかわからない感動があるんです。本当に楽しかったです」

 今でも『青い鳥』を聴くと、撮影のときのことを思い出すという夏帆さん。では、夏帆さんの心の歌は?

「心の歌は、その時々によってどんどん変わっていくので、一曲選ぶのは難しいですね。昔よく聞いていた曲を久しぶりに聞くと、その当時のことを鮮明に思い出したりするじゃないですか。そういうときにも、歌の持っている力を感じますね」

『うた魂♪』が伝えるのは、みんなが ひとつになることの素晴らしさと感動。

安良城 紅

 七浜高等学校女子合唱部のみんなが踊りながら歌うキュートなシーンや、感動の合唱風景を迎えるラスト・シーンを筆頭に、『うた魂♪』には青春のキラキラが、スクリーンの隅々まで満ちている。夏帆さんの胸にも、『うた魂♪』は<青春の体験>として刻まれているようだ。

「私にとってこの映画は、本当に高校一年生のときの夏の思い出が詰まった作品になりました。私自身もすごく合唱に打ち込みましたし、この映画を見ると、撮影をした去年の夏を思い出します」

 夏帆さんが言うように、本作には、観る者に「自分にもこういうことがあったなあ」と、各々の思い出を喚起させる力がある。もちろん、主人公たちと同年代の諸君は共感を抱くはず。「今年の文化祭は頑張ろう!」なんて今から張り切るのでは?そんな、胸にきゅんとくる青春映画のマジックが、『うた魂♪』には宿っているのだ。

 仲間たちと力を合わせてがむしゃらに頑張ることの楽しさ、強さ、美しさ。そして、そこから生まれる感動。夏帆さんは『うた魂♪』を、「かっこ悪くても、一生懸命にやることは素敵なことなんだということを伝えてくれる映画」だと言う。

 最後に本作に込めたメッセージについて夏帆さんが語った。

「みんながひとつになると、こんなにも素晴らしいものが生まれるんだというメッセージが、本当によく現れている映画だと思います。合唱には、それがすごく出ます。団結したぶんだけ、いい歌が歌えます。合唱っていいなって思ってもらえれば、それだけで嬉しいですね」

 今、青春真っ只中の人も、昔の若者たちも、『うた魂♪』のメッセージを瑞々しいストーリーと共に体感してほしい。感動のラストを目撃すれば、あなたもきっと一緒に歌いたくなるはず。

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写真=相澤心也 取材・文=山本貴政 スタイリスト=寄森久美子 ヘアメイク=谷川一志
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