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Cover Story akiko×小西康陽Cover Story akiko×小西康陽
2005年リリースの『リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ』から2年。
ジャズシンガーのakikoさんとプロデューサーの小西康陽さんが再びタッグを組み、新しいアルバム『a white album』をリリース。今回は、akikoさんと小西さんにとって、かねてからの念願だったクリスマスアルバムだ。おなじみのクリスマスナンバーが、ゴキゲンなジャズ・フレーバーはもちろん、ジャンプ&ジャイヴ、スカにブレイク・ビーツと、大胆にオシャレに仕上がった絶品だ。


2年ぶりのコラボレーション。感想は…

中谷美紀

小西康陽(以下:小西)「2年前にアルバム『リトル・ミス・ジャズ・アンド・ジャイヴ』を作ったとき、akikoさんって素晴らしいミュージシャンだなって思ったんだけど、今回、レコーディングしていて、まだまだakikoさんの魅力が分かっていなかった、ようやく分かったって感じです」

akiko「えぇー?! 本当ですか?!(笑)」

小西「僕以上にプロデューサーだなって感じたし、ミュージシャンシップはあるし」

akiko「前回、小西さんにプロデュースしていただいたときに思ったんですけど、小西さんのプロデュースのやり方って、それまで私が仕事をしてきたプロデューサーにはないやり方です。DJでもミュージシャンでもある小西さんのプロデュースは、独特で唯一無二。前作の製作を見ていて、仕事のやり方やセンスに衝撃を受けたんですよ」

小西「えっ? 衝撃?」

akiko「衝撃でしたよ。その後、しばらく茫然自失で…次の作品を誰にプロデュースしてもらおうって思ったときに、思いつかなかったくらいです。やっぱり小西さんともう1枚、それもクリスマスアルバムを作りたいって、その時点で思いました。今回のアルバムが決まったとき、思い入れが強かった分、プレッシャーもありましたし、小西さんとお仕事するときは緊張するし、思い悩んだこともありましたけど。いざ、始まってしまったら、前回以上に早かったですね。でも、『前回はよく分かんないから適当にやっていたんだよね』なんて小西さんがおっしゃって(笑)」

小西「今回は適当にやってないから(笑)」

akiko「前作のアルバムは、すごくクリスマスっぽいなって思ったんです。それに小西さんってクリスマスっぽいなって感じました(笑)。ジャズミュージシャンって、ひとつのステイタスとしてクリスマスアルバムを出すことが多いけど、他とはちょっと違うことがしたくて。小西さんのプロデュースなら、これまでとは違ったクリスマスアルバムが作れるんじゃないかなって」

小西「選曲や僕が漠然とやりたいと思ったアイデ アを投げると、具体的アイデアを返してくれたよね。『サンタが街にやってくる』はクリスマスソングの中で一番好きだからやりたいと提案した曲。作っているうちに、12月になった頃、ラジオからたくさん流れたらいいなって、頭の中に浮かんできて。それでリミックスバージョンも作ったんです。そしたらラップを思いついて、akikoさんに相談したらイイ人がいるって。でも、その人には参加してもらえなかったんだよね」

akiko「京都で活動しているミュージシャンの方なんですが、仕事で海外に行かなくちゃいけなくて、タイミングが合わなかったんです」

小西「別の人の製作に関わっているときは、そういう障害が起こると小さな挫折感を感じたりするけど、今回はそう感じなかったな。akikoさんに相談すると、すぐに乗り越えられたね」

印象に残っているクリスマスの思い出は?

堤幸彦

akiko「クリスマスにいい思い出がないなぁ〜。デートとかしてみたいけど、去年…何してたっけ?」

小西「ミュージシャンは年末忙しいからね」

akiko「私ね、10歳までサンタさんを信じていたんですよ。小さい頃、サンタさんからプレゼントをもらう代わりに、私もサンタさんに手紙を書いて手袋とかプレゼントを用意していたんです。あるクリスマスの時、私と母でいとこの家に泊まりに行くことになって、私は用意したサンタさんへのプレゼントを自宅に置いて出かけたんです。翌朝、目が覚めるとプレゼントがあったんです。私はバービー人形、いとこはフランス人形。私は自分の家にもサンタさんがプレゼントを持ってきてくれているのに、いとこの家でももらっちゃった、何てすごいんだろうって思っていたら、いとこが『それはウチのお父さんが買ってきたんだよ!』って言い出して、私は『違うもん!』って否定して、大ケンカになっちゃって(笑)」

小西「僕もイヤな思い出だけですね。予約していたレストランがドタキャンされたり(笑)。でも僕もakikoさんもクリスマスソングのいい曲をいっぱい聴いているんだなぁって。夏の暑い盛りに作ったのに、いい仕上がりだよね」

akiko「今回は最初から最後まで全部好きな曲ばかり。『そりすべり』は早いテンポなので、歌えるか心配でしたが、何とかうまくいったので一安心しました。そういえば、『12月25日の朝。』って曲、akikoさんがピアノを弾いたらって小西さんに言われて、実際に弾いたらあまりにも下手で却下されたんですよね(笑)。自分で作った曲なのに全然弾きこなせなくて、それが一番の冷や汗ものでしたよ(笑)。こんなにヘタだと思わなかったでしょ」

小西「いや、頭の中で鳴っているサウンドは、そんなに上手じゃない人が弾いた温かい音だったから、そういう意味では、akikoさんのピアノはバッチリだったんだけどなぁ(笑)」

akiko「作品としてはクレームが来ちゃいますよ(笑)。でもね、このアルバムは好きなときに好きなように聴いてもらいたい。クリスマスって恋人のためにあるって感じじゃなく、家族や仲間たちと過ごすアットホームなイメージがあるんです。パーティーで楽しいときに聴いてもらえたらうれしいな。小さい子にも聴いてもらいたいし」

小西「僕は違うんですよ。僕はakikoさん世代に向けて作ったんです。クリスマスのイルミネーションって交通渋滞になるから、すごく迷惑ですよね。あの渋滞のせいで待ち合わせに遅れたことがあって(笑)。タクシーの中で音楽を聴いてて、イライラしているときに聴くのにピッタリかなって(笑)。イライラを鎮める曲もあるけど、助長しちゃう曲もあるよね。誰しもランデブーのときはそわそわするじゃないですか。そう雰囲気が出てるかなって。ラジオで流れて曲を知ってCDを買って、帰ってもう一度、聴こうかって。で、『12月25日の朝。』って曲まで入っていると! よくできています」

akikoさんは12月にクアトロでライブが予定されていますが…

akiko「そうなんです。ライブの中身はまだ構想中ですが、ミュージシャンだけが熱くなるライブじゃなくて、もう少しショーアップされた演出でやりたいなって。映像を使ったり、ダンスもありっていうのをやってみたいですね。たくさんのライブをこなされている小西さんにアドバイスをいただきたいな」

小西「やっぱり、手品じゃないですか(笑)」

akiko「でも私、飛んでみたいんです! 高い所、苦手だけど、空飛ぶトナカイに乗って登場してみたい!」

akikoさんの思う小西さんのイメージは…

akiko「小西さんは男性としてもプロデューサーとしても憧れの人なんです。人生を濃く生きている感じがするんです。私よりも何倍もいろいろなものを見て聴いて感じて表現して、それを自分のものにしてる。そういう人って、小西さんが初めてだったから、ショックだったんです」

小西「えっ? ショック?」

akiko「私も小西さんみたいになりたい、ならなくちゃいけないって気持ちですごく悩んだところがあって。私は常に独り立ちしたいという気持ちがあるんです。自分自身がアイコンになる、誰の力も借りず、ひとりで地に足をつけて立てるようになりたい。そのために今は小西さんの力が必要だから一緒にお仕事をしているのですが、でも小西さんがいなくなったら、私には何ができるんだろう。そこですごく落ち込んだんです。でも開き直ったので、フラットな気持ちで仕事ができるようになりました。今の思いは前のように憧れとは違うんですけど、根底には憧れている気持ちがあります」

小西「昨年、akikoさんと映画音楽の仕事をすることになっていたんだけど、僕が体調を崩して実現できなかったんだよね。ちょっと大変な病気だったので、今こうして、もう1年待ってくれて、クリスマスアルバムを作れたというのはラッキーだし感謝しています」

akiko「実現できて本当にヨカッタ。このアルバムは私にとって最高のクリスマスプレゼントです。小西さんはサンタさんですから」

小西「雪だるまでございます(笑)」

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写真=松岡茂樹 ヘアメイク=RYOO(JET) 衣装協力=ADIEU TRISTESSE
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