●STORY
大阪・通天閣のふもとのひなびたアパート「パンション飛田」では、今日もイサオ(阿部寛)がちゃぶ台をひっくり返す音が響く。幸江(中谷美紀)が作ったトンカツも、大枚をはたいて買った寿司も、四方八方に散らばる。無口な乱暴者で酒飲み、その上ギャンブルに明け暮れているイサオ。それでも幸江は尽くし続けた。
幸江の不運と貧乏は、今にはじまったことではない。宮城県気仙沼で生まれた幸江は、物心つく前に母が家出し、父・家康(西田敏行)は飲んだくれで借金まみれだった。生活は中学生の幸江の新聞配達や内職にかかっていたが、家康は愛人と旅行に行くために銀行強盗をして逮捕され、ムショへ送られた。
今日もイサオのちゃぶ台返しは続く。見かねた隣に住むおばちゃん・小春(カルーセル麻紀)に別離を薦められても、バイト先のマスター(遠藤憲一)にしつこくプロポーズされても、幸江はイサオと一緒にいられるだけで幸せだった。
ある日、幸江は医者から妊娠していることを告げられる。喜んでイサオに報告する幸江だったが、イサオは黙って幸江の元から去っていった。数日後、身重の体で働き続ける幸江は、歩道橋から滑り落ちてしまう。生死の間を彷徨う幸江の頭の中では、唯一の親友・熊本さんとの思い出や、転落人生を歩んでいた幸江の目の前に現れたイサオのことなど、過ぎ去った出来事が走馬灯のように駆け巡っていた。そして幸江が目を開けたとき、そこに見たものは…。
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