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「俺も何かのKINGになれたらいいな」―KREVA

9月5日に3rdアルバム『よろしくお願いします』をリリースしたKREVA。
吉井和哉、久保田利伸、SPITZの草野マサムネなど、さまざまなアーティストとのコラボレーションを果たし、10月より待望の全国ツアー『K-ing』を敢行する。アルバム、ツアー、そしてファッションなど、現在進行形のKREVAについて語ってもらった。



完成したアルバムはまさにライブのようなトラックリスト

KREVA

 日本のHip Hopアーティストの代表としてシーンを牽引し、今やHip Hopファンだけではなく、すべての音楽ファンの支持を受けるKREVA。3枚目のアルバムとなる『よろしくお願いします』をリリース、話題を呼んでいる。
「『よかったでーす!』って言いたいところなんだけど、まだリリースしたばかりなので実感が湧かないですね」

  控えめな言葉ながら、ファーストトラックの『ストロングスタイル』は、10月公開のジェット・リー主演映画「ローグアサシン」の日本版主題歌に抜擢された。
「映画のイメージが先にあったわけではなく、俺が作った曲の中から映画のイメージに合った曲を選んでもらったんです」

  アルバムはこの曲からはじまり、『終わりたくないオーワラナイ』で締めくくられているが、ボーナストラックが「Encore(アンコール)」といった構成になっており、聴き終わると、これがアルバムのセットリストであり、言い換えればライブの「予習盤」であると感じさせる。
「アルバムが完成した結果、ライブっぽい選曲になっただけで、それを意識していたわけじゃないんです。選曲は特に悩まずに決まったんですが、ライブのような曲の流れになったので、最後の3曲も通常なら『ボーナストラック』と掲げるものを『アンコール』っていう形にしてみたんです」

  2ndアルバムでは、モーツァルトの曲をサンプリングするなど、普段Hip Hopを聴かないリスナーにも馴染みやすいナンバーが多かったが、ニューアルバムではHip Hop色の強い、よりKREVAらしいサウンドが主軸となっている。さまざまなアーティストとの共演を経て、コアなHip Hopファンへの回帰といったベクトルに向かっているのだろうか。
「Hip Hopっぽくしようとか、そういうのはないですね。サウンドに関しては本当に良い曲、良いコード進行の曲をただ集めたという感じです」

  しかし、ラストに収録されている『アグレッシ部』のリミックスで、KOHEI JAPAN、SHINGO☆西成という日本のHip Hopシーンを代表するふたりのMCがフィーチャーされている。
「コアな層にアピールしているということはまったくないんですが、SPITZの草野マサムネさんと共演したこともあって、そこに日本のHip Hopの代表、それこそコアな面子を同じ列に並べたかったっていう狙いはありました」

  サウンドのインパクトもさることながら、メッセージ性がありながらも、常に親近感のある言葉でリスナーを惹き込んでいるKREVAのリリック。
「今まで、『リアルなことを書く』って常々言ってきたんですが、今回のアルバムではフィクションを混ぜて書けたっていうのが、自分的には成長したところです」

  『今日だけでいい』のリリックでは、クラブに遊びに来ているキッズが憧れの子を前に近づくことができない、切ない気持ちを描いた。
「あれは実体験が元になっていますよ。いつもみんなに言ってるんですけど、俺自身すごくシャイなんで(笑)。クラブに行くと誰しもそういう気持ちになることってあるじゃないですか? それをあの曲の中で歌ったんです。さらにSONOMIが女の子の視点から歌詞を載っけてくれたので、曲自体がパワーアップしたという感じですね」

  サウンド的にもリリック的にも、ネクストレベルへと成長した今回のアルバムのアーティストKREVA的聴きどころとは。
「聴いてもらうとわかるように、ライブっぽい曲の構成になっているので、アルバム全体の流れを意識して聴いてくれるとうれしいですね。それと、前のアルバムと一緒に聴いてライブに参加してもらえれば(笑)」

現在進行形で成長し続けるKREVAツアータイトルに冠した言葉は「K-ing」

衣装/ワンピース 45,150円(D.air)

 今回のツアータイトルは「K-ing」。「王」を意味する「KING」、KREVAのイニシャルである「K」に進行形の「ing」と、KREVA自身の現在進行形を表現しているタイトルになった。
「自分自身の進行形っていう意味合いは強いですね。王っていう意味でいうと、実は前回のホールツアー“意味深”で作ったTシャツのバックプリントに、俺が王様の椅子に座っている姿がこっそりプリントしてあったんですよ。その答えが今回のツアーにつながっているというわけなんです」

  強気のツアータイトルに対し、アルバムタイトルは『よろしくお願いします』とアンビバレント。
「確かにツアータイトルが強気だからっていうのもあるんだけど、これは単に『よろしくお願いします』を、よろしくお願いしますって言ったらすごく宣伝しやすいかな? っていうだけの話で、レコード会社の人と決めたタイトル。KING(キング)っていうのは、すべてにおけるKINGっていうわけじゃなくて、世の中には色々な部門のKINGがいるから、俺も何かのKINGになれたらいいなって思って、このタイトルにしたんです」

  そんなKINGの最近のテーマカラーは「紫」。アルバムアートワークや、ツアーのカラーももちろん「紫」だ。
「愛・自分博のカラーは緑だったんですが、その時から次は紫にしようっていう話が出ていたんです。それに、今回のライブチケットや『愛・自分博〜紫〜』を頑張って買ってくれたファンの子が、気づいたらお金がなかった、となっても、家にある紫のバンダナなんかを巻いてライブに参加すれば、引け目を感じずにライブを楽しんでもらえますしね。そういう狙いもあって、今回のテーマカラーを紫に統一しようと」

  ハイファッションなアーティストとしても知られているKREVAは、カラー以外にも自身のこだわったファッションでイメージをリードしている。
「昔はHip Hopっていうとでっかいサイズばかりだったんですが、最近はUSのHip Hopファッションも大きいサイズだけじゃなくなってきているんですよ。俺自身も昔からそんなに大きいサイズの服を着ていなかったから、逆に選びやすくなっていますね。ブランドなら、Y-3やDIESELをよく着ています。質が良いものを選ぶようになりましたね」

  自身でブランドを手がけていたこともあるKREVA。そのブランド「Fashion」は、今年3月に活動を停止してしまったが、今後ファッション業界再進出へのビジョンもありそうだ。
「『ファッション業界から引退した』っていう、カッコいい言い方でやめたんですけどね(笑)。さまざまなブランドの服を着るようになるにつれ、服の作りを見ると『よくできているな〜』って思うようになったんです。だから、それと同じレベルで勝負するのはちょっと難しいかなって思ってFashionをやめました。今後、どこかのブランドから声がかかって、何かお手伝いできるならちょっとやってみたいですけどね」

自身をストレートに打ち出した全国ツアー『K-ing』への意気込み

KREVA

  ツアー初日2デイズでは広島クアトロ公演が決定している。広島公演そして広島という土地へのこだわりがあると言うKREVA。
「広島クアトロは本当にいいんです! すごい好き! 広島っていうと、東京や大阪みたいに毎回プロモーションで行く場所じゃないので、正直、盛り上がるか不安じゃないですか。でも、広島に行くといつも盛り上がるんですよ。だから、クアトロでやるのはいつも楽しいです。それから広島で自転車に乗っている女性はかわいいっていう、俺の中の勝手な説があります(笑)」

  3rdアルバムをリリースし、成熟したアーティストへと現在進行形で駆け上がるKREVA。それだけにライブへの意気込みも相当なものがある。
「前回のツアーでは、イリュージョンやダンスに力を入れて、盛り上げるきっかけがたくさんあったんですが、今回は音楽だけでストレートにかっこよく盛り上げたいと思っているので、アルバムをじっくり聴いてライブを楽しんで下さい!!

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写真=相澤心也 取材・文=長谷川圭一 スタイリング=藤本大輔 ヘアメイク=結城藍
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