「悲しい、切ないだけじゃなく、
やきもちとかリアルな感情も出てる。そこが好き」―新垣結衣
映画やドラマ、CMなどで人気急上昇中、今年もっともブレイクが期待される新垣結衣ちゃんの初主演映画『恋するマドリ』が8月18日(土)から公開される。
「主人公のユイとは共通点が多くて、ユイになったというか、溶け込んだ感じ」と結衣ちゃんは話し、撮影を振り返りながら本作の魅力を語った。
自分好みの衣装と女子ばかりの楽しい現場で気持ちよく演技できた
新垣結衣(あらがきゆい)。
名前を聞いてピンとこない人も、ポッキーのCMで長い手足をおもいっきり動かして、ハジケたダンスを踊っている女の子といえば、その姿が思い浮かぶはず。
今年もっともブレイクが期待され、確実に実力を発揮している女の子、結衣ちゃんの初主演映画が8月に公開される。
初主演映画『恋するマドリ』は、家具・インテリア雑貨の大人気ショップFrancfranc15周年記念作品というだけあって、インテリアもファッションもとにかくキュート!今どきの女子必見の映画であることは間違いない。インテリアやファッションの些細なところまで、おしゃれのエッセンスがぎっしり詰まっている。といっても、セレブのような、日常から遠い場所にあるおしゃれではない。そこにあるのはあくまでもリアルな、東京でひとり暮らしをする女の子のおしゃれ。そんなところがこの映画の魅力のひとつになっている。
主人公は20歳の美大生、青木ユイ。ひとり暮らしを始めたばかりで、上の階に住む、森を愛する研究者タカシに恋をする。
ユイを演じた結衣ちゃんは19歳。この春からひとり暮らしを始めたばかり。役名をはじめ主人公との共通点が多く、観客はまるで結衣ちゃんの日常を観ている気分になる。
「裏設定で沖縄出身だとか…訛ってしゃべるシーンがあるんですけど、監督に『訛ってください』と言われて。改めてそう言われるとできないので(笑)、あのシーンが一番大変でした。あっ、それは嘘!(笑)。でも意外と大変でした。お姉ちゃんがいたりとか、本当に似ている部分がたくさん。たぶん、一度監督とお会いして、あたしを知ってユイちゃんに取り入れてくれたと思うんですけど」
初主演、気負いはあったはず。
「『後半だんだん良くなったよね』と、スタッフさんにも言われました。こう見せよう! とかじゃなくて、自然とそうなるというか、青木ユイになったというか、青木ユイが溶け込んだっていうか。撮影の最初のほうは、(主演だからといっても)やることは一緒なので、意識しないようにと思ったけど、やっぱり意識してたみたい。力が入っていたらしいです」
自然とユイになれたのには、他にも理由があったという。
「撮影で着せてもらった洋服とかも“ゆるい”感じで、可愛くて、すごく自分好みで。着るものとか、メイクとかで気分も変わるから、落ち着いて気持ちよくやれました」
なんと、結衣ちゃんが最近お気に入りの洋服を買ったお店から、偶然スタイリストさんが衣装を借りていたり、彼女が現場にして行ったマフラーと同柄のレギンスが用意されていたりしたのだとか。自分にぴったりくるセンス、しかも、大九(おおく)明子監督をはじめスタッフは女性ばかり!
「セッティング待ちで隅っこに寄ってたら、気づけば周りはみんな女子、みたいな(笑)。カメラマンさんが貫禄あるおじ様なんですけど、『あれ? 俺、女子高の校長先生みたいじゃない?』って(笑)。撮影の合間に公園で遊んだり、菊地凛子さんを送り出す中、打ち上げでカラオケに行ったり…」
とにかく、現場の雰囲気がとても良かったようで、映画にも、撮影現場の“にっこり”ムードが漂っている。ちなみに、この“にっこり”も本作のキーワード。大九監督の“人生は辛く長い。だったらせめて笑いたい”という人生の暗黒面への抵抗メッセージが込められているとか。
「楽しいことが大好きな人ばっかりで、みんな終始にっこりというか、あったかい…今までの現場が決してテンション低かったわけではないけど、特別すごい、一番ウェルカムな現場でした」
ユイはお姉ちゃんの“できちゃった結婚”に反発したり、タカシへの恋心ゆえに、ちょっぴりひとりよがりな行動をとってみたり、菊地凛子さん演じる年上の素敵な女性・アツコにやきもちをやいてみたりと、それはそれは魅力的な女の子を演じている。ハッピーな現場だったからこそ、彼女が本来持っている、人間の様々な感情を伸び伸びと出せたのではないだろうか。
はにかんだ表情は女優というよりリアルな19歳の女の子
監督をはじめ、スタッフみんなから愛された幸福な撮影だったが、もちろん大変だったこともあった。
「今回に限らずいつもですが、悲しい気持ちにならきゃいけないときは…大変です」
元の部屋の住人同士という、愉快な偶然から知り合ったアツコは、自分が恋心を抱くタカシの元同棲相手で、しかもふたりはまだ愛し合っていると分かって、失恋の痛みにじっと耐えるシーンがある。同じアパートに住む元芸者の内海桂子さんが、廓の女性が本当に好きなお客と差し向かいでいるときだけ歌う小唄『我が恋』をせつなく爪弾き、ユイは167cmの伸びやかな身体を小さく丸め、かすかに嗚咽する。少女が失恋を通して成長していく瞬間が、ひしひしと伝わってくる名シーン。「よかったですよ」といえば、彼女は「ありがとうございます」と答えた。その時、わずかにはにかんだ表情は、女優さんというより、リアルな19歳の女の子のものだ。
最後に、観客に、主演女優として映画のどんなところを観てほしいか。
「ふつうに日常にあることっていうか、人物の感情とか美化しすぎてない。悲しい、切ないだけじゃなくて、やきもちやいたり、もやもやしたりするところも出てたりします。その辺、好きですね。リアルなところが好き」
インテリアもファッションもリアルにおしゃれ、恋する気持ちのもどかしさも、失恋の痛みも、特に女の子なら共感できること間違いない。ちなみに、男の子諸君は、女心の勉強にもなる。
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